ダイカスト法によって製品を製造する際、その用途に合わせてアルミやマグネシウムなど、様々な素材が用いられています。
今回は、それぞれの素材の概要と実際の製品事例について、ご紹介したいと思います。
目次
① ダイカストとは?
④ ダイカストのことならダイカスト加工センター.comにお任せください!
ダイカストとは?
ダイカストは鋳造方式の一つで、自動車関連用品や家電製品、一般機器を中心に、様々な工業製品の製造法として不可欠な存在となっている手法です。
鋳型の中に溶かした金属を高速で充填し高い圧力をかけるため、精度が良く、鋳肌の優れた鋳物を短時間で生産することができます。
また、薄肉化や軽量化、仕上げ工程が少ないなど様々な利点があり、鋳物の製造方式をダイカストへ切り替える企業様もいらっしゃいます。
ダイカストで用いられる主な素材
上述の通り、短時間で大量生産できる、薄肉で寸法精度が優れるという特徴を持つダイカストですが、今日使用されている合金の中でも、代表的な素材としては「アルミニウム合金」「亜鉛合金」「マグネシウム合金」の3合金が挙げられます。
1)アルミニウム合金
アルミニウム合金は、密度が約2.7g/cm³と非常に軽量かつ耐食性に優れています。
また、経年寸法変化も少ないため、ダイカスト合金の中でも最も多く用いられている合金です。
2)亜鉛合金
亜鉛合金は、薄肉で複雑形状の鋳物の製造に優れている合金です。
寸法精度も非常に高く、衝撃にも強いという特徴があり、メッキなどの表面処理にも優れています。
一方で、密度は6.6g/cm³と、軽量化を求めている場合には不向きな合金です。
また、クリープ変形が起こりやすく、100℃以上での使用には注意が必要です。
3)マグネシウム合金
マグネシウム合金は、この3つの合金の中で最も軽量で、密度は約1.8/cm³となります。
また、振動吸収性や耐くぼみ性にも優れています。
一方、亜鉛合金同様高温状態での使用には注意が必要です。
このように、ダイカストには様々な合金が使用されるため、適宜使用目的に併せて合金を選択することで、VA/VEに繋げることができます。
ダイカスト加工センター.comの製品事例をご紹介!
続いて、それぞれの材質ごとの製品事例について、ご紹介したいと思います。
1)アルミ事例(産業用ロボット向けヒートシンク)
アルミで成形した、産業用ロボットで使用されるヒートシンクです。
材料メーカー様が開発されたヒートシンク用のアルミ材(開発合金)を使用した製品で、高い放熱性を実現しました。
また、処理として、三価クロメート処理と粉体塗装を実施しております。
2)亜鉛事例(自動車パワーウインドウ・サイドミラー操作部品)
こちらは、パワーウインドウ・サイドミラー操作部で採用されている部品です。
亜鉛でダイカスト成形したのちに、表面処理でシルバークロムメッキを施し、樹脂部品と組立を行いました。
ダイカスト部品は機構部品として使用されることが多いのですが、この事例は外観部品として使用されるものでしたので、加工性や寸法精度に優れる亜鉛を採用いたしました。
3)マグネシウム事例(自転車用筐体 マグネシウムダイカスト)
こちらは、電動アシスト付き自転車のユニット部の筐体です。
燃費・走行距離向上等の観点から、強度も持たせつつ軽量化を実現するために材質はマグネシウム材を採用いたしました。
また、こちらも外観意匠部品であるため、二次加工として表面処理を施している事例となります。
いかがでしょうか?
このように、ダイカストでは様々な鋳物を生産することができます。
そのほかにも、ダイカスト加工センター.comでは様々な事例をご紹介しておりますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。
ダイカストのことならダイカスト加工センター.comにお任せください!
今回は、ダイカストで用いられている金属素材についてご紹介させていただきました。
使用される素材それぞれに特徴があり、その特徴を上手く活用することで、軽量化や薄肉化、その他様々な素材の長所を製品に引き継がせることができます。
目的に応じて適切な素材を選定することで、コストダウンや品質向上につなげることも可能かもしれません。
最後に、ダイカスト加工センター.comでは、ダイカストへの工法転換を通してVA・VEの実現をご提案しております。
ダイカストに関して、VA・VE提案・工法転換提案から試作・量産までワンストップで対応が可能なダイカスト加工センター.comまでお問い合わせください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!