亜鉛ダイカスト品は、成形後にめっきを行うことがあります。こちらの記事では、そのめっきの目的と実際の事例についてご紹介いたします。
めっきとは
めっきとは、金属や非金属の製品表面に被膜を施す工法です。めっきを施す方法には、大きく分けて湿式めっき法、乾式めっき法の2つに分類されます。
湿式めっき法は、めっき液に被膜形成に使用する金属とめっきを施したい素材を入れ、電気的作用や化学的作用により被膜を形成させる方法です。
乾式めっき法は、めっき液を使用せずに高い真空条件下で金属を加熱・蒸発させて素材表面に被膜を形成させる方法です。
めっきに用いられる金属には、金、銀、銅、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウムなど様々な種類があります。めっきを施すことにより、製品に意匠性や防錆性、防摩擦性を付与することができ、自動車の外装や住宅設備関係など様々な製品に採用されています。
亜鉛ダイカストにめっきをするメリット
亜鉛ダイカストは、他の金属より融点が低いため、金型の寿命が長くなるというメリットがあり、流動性も良いことから複雑な形状や薄肉化が可能で、硬度が高く耐衝撃性も高いなどの特徴があります。
一方デメリットとして、酸性・アルカリ性のどちらにでも腐食するという性質を持っていますが、亜鉛ダイカストにめっきを施すことで、耐食性を向上させ、機能を付与することができます。
亜鉛ダイカストへのめっき処理事例
自動車パワーウインドウ・サイドミラー操作部品
こちらは、パワーウインドウ・サイドミラー操作部で採用されている部品です。
亜鉛でダイカスト成形したのちに、表面処理でシルバークロムメッキを施し、樹脂部品と組立を行いました。ダイカスト部品は機構部品として使用されることが多いのですが、この事例は外観部品として使用されるものでしたので、加工性や寸法精度に優れる亜鉛を採用いたしました。
ガスコック部品
こちらは、一般住宅などに使用されるガスコックの部品です。
ガスコックという部品であることから気密性が非常に重視された製品です。そのため、鋳巣や湯回り不良が発生しないよう注意しながら加工を行うとともに、出荷に際してはリーク検査も合わせて実施いたしました。
また、外観部品であるためメッキなどの表面処理や組付けなどにもワンストップ対応いたしました。
亜鉛ダイカストへのめっきなら、ダイカスト加工センターにお任せください!
今回は、亜鉛ダイカストへのめっきについてご紹介いたしました。
当社では、亜鉛ダイカストの金型設計・製作から切削加工、その後の表面処理まで一貫対応しています。国内外の自動車部品や住宅設備メーカー様向けに、亜鉛ダイカスト品を納入してきた実績を基に、最適な材料選定や、ダイカストへの工法転換など様々な提案を行っております。また、亜鉛のみならず、アルミとマグネシウムのダイカストにも対応可能です。
ダイカストに関して、お困りごとがございましたら、お気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!