セミソリッドダイカストは、鋳巣の発生を低く抑えることができるダイカスト工法です。こちらの記事では、セミソリッドダイカストの特徴と実際の事例についてご紹介いたします。
ダイカストにおける鋳巣
鋳巣とは、ダイカスト品の内部にできた空洞のことで、鋳物の代表的な欠陥です。鋳巣の種類には、以下のようなものが挙げられます。
ヒケ巣
金属の溶湯から個体に凝固した際の体積変化によって、収縮で引っ張られて真空の空洞となります。
巻き込み巣
高速・高圧で溶湯を金型内に流し込むことで、金型内で泡立ちが起り泡の逃げる場所が無く、そのまま固まって空洞となります。
ブローホール
高速・高圧で溶湯を金型内に流し込んだ際にガスが発生し、残されたガスが閉じ込められ、そのまま固まって空洞となります。
セミソリッドダイカスト法とは
セミソリッドダイカストとは、攪拌棒で溶湯を攪拌しながら凝固させ、液相と固相が混在した状態の溶湯を射出充填するダイカスト法です。
従来の溶融ダイカスト法と比べ、空気の巻き込みによる巻き込み巣だけでなく、対応が難しかった凝固収縮によるヒケ巣が極めて少なく、低温鋳造のため金型寿命が向上するなどの特徴を持っています。
セミソリッドダイカストの製品事例
ブラインドコーナーモニター用リアケース
こちらは、車のフロントグリル(ラジエーターグリル)を中心に、ナンバープレートやフロントバンパーなど車体の先端に取り付けるフロントカメラのケースです。
本製品は、ねじ穴を形成するためのタップ加工などの加工処理により鋳巣が繋がってしまい、鋳造段階でリーク不良が発生してしまう恐れがありました。そのため、湯回りの改善を行い、タップ加工部に極力鋳巣が発生しないようにいたしました。
セミソリッドダイカストのことなら、ダイカスト加工センターにお任せください!
今回は、セミソリッドダイカストについてご紹介いたしました。
当社は、通常のダイカストはもちろん、セミソリッドダイカストにも対応可能です。
ダイカストに関して、お困りごとがございましたら、お気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!