ダイカストによって、製品を製造する際、トラブルが発生する可能性があります。本記事では、ダイカストで起こるトラブルとその対策をまとめて、ご紹介いたします。
目次
④ダイカストのことならダイカスト加工センター.comにお任せください!
ダイカストとは?
ダイカストとは鋳造方式の一つで、鋳型(金型)の中に溶かした金属を高速で充填し高い圧力をかけることで、精度の高い鋳物を短時間で生産する鋳造方法です。
ダイカストは高い量産性と精度を持っているため、自動車関連や家電用品、OA機器など幅広く使われています。また、材料としてはアルミニウム合金、亜鉛、マグネシウム合金、銅合金などが主に使用されています。
ダイカストで起こるトラブル要因とその対策方法
以下にダイカストで起こる主なトラブルの要因とその対策を2つ紹介していきます。
1.金型の不良
ダイカストの製品の品質とコストを左右するのに一番重要な要素は金型になります。
ダイカストで用いる金型において、製造過程でトラブルが発生することがあります。トラブルにより、製品の品質や精度が損なわれてしまいます。
ダイカストによる鋳造の過程では、金型に対して加熱と冷却が繰り返されます。その際、「ヒートチェック(クラック)」という問題が発生します。
ヒートチェック(クラック)とは、ダイカスト金型の表面にできる亀甲状のひび割れのことです。亀甲状のひび割れ以外に、直線状の細かいヒビ割れも起きる可能性があります。
また、生産量が増えるほど、加熱と冷却による温度差の影響が大きくなり、金型が使用できなくなる危険性が高まります。熱変形や刺激による損傷がなくても、ダイカスト鋳造品の寸法精度や外観品質が大きく損なわれます。
以下の記事ではダイカストの金型不良に関して詳しく解説しております。こちらの記事もぜひご覧下さいませ。
2.不適切な温度管理
ダイカスト加工では、温度管理が重要です。ダイカストの場合、温度が上昇すると合金の引張強度や降伏強度が低下します。また、延性も温度が上がると高まりますが、延性の変化の度合いはダイカストを行う合金の種類によって異なります。
適切な温度で加工することは、金型と鋳造される金属の両方にとって重要です。鋳造される金属は、金型への適切な流れと充填を確保するために、適切に加熱される必要があります。溶けた金属の温度が金型に対して高すぎると、金型が破損する恐れがあります。また、金型の温度が低すぎると、金属が金型に流れ込む際に急激に冷えてしまい、欠陥の原因となります。
以下の記事ではダイカストの鋳造品不良に関して詳しく解説しております。こちらの記事もぜひご覧下さいませ。
アルミダイカストの製品事例をご紹介!
続いて、ダイカストによる製品事例について、ご紹介できればと思います。
1)ガスコック部品(住宅設備業界、亜鉛ダイカスト)
一般住宅などに使用されるガスコックの部品で、ガスコックという部品であることから気密性が非常に重視された製品です。
そのため、鋳巣や湯回り不良が発生しないよう注意しながら加工を行うとともに、出荷に際してはリーク検査も合わせて実施いたしました。
また、外観部品であるためメッキなどの表面処理や組付けなどにもワンストップ対応いたしました。
2)カメラケース 亜鉛ダイカスト加工品
こちらはカメラ用のケースとして製作いたしましたダイカスト加工品で、亜鉛を材質に使用して加工したものとなります。
亜鉛ダイカスト加工品の特徴として、多様な表面処理により特性を付加できることが挙げられます。今回の事例では、加工後に艶消し塗装を施しております。
3)コイン投入口 亜鉛ダイカスト加工
こちらのダイカスト加工品はコイン投入口として使用されるものです。材質には亜鉛を採用しておりますが、亜鉛はアルミなどダイカスト加工の材質として使用される他の金属に比べて比重が大きくなるため亜鉛ダイカスト加工品は強度が高いという特徴があります。
ダイカストのことならダイカスト加工センター.comにお任せください!
今回は、ダイカストで起こるトラブルと要因・対策方法についてご紹介させていただきました。
ダイカストのトラブルには多くの種類が存在しますが、トラブルの要因を特定し、最適な対策を実施することで、トラブルを解決できます。今回はダイカストのよくあるトラブルについてご紹介しましたが、今回ご紹介したもの含め、それ以外のトラブル等あれば、プロにご相談されることをおススメします。
最後に、ダイカスト加工センター.comでは、ダイカストへの工法転換を通してVA・VEの実現をご提案しております。ダイカストに関して、VA・VE提案・工法転換提案から試作・量産までワンストップで対応が可能なダイカスト加工センター.comまでお問い合わせください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!