ダイカストは、大量生産に優れた工法ですが、量産前に試作を行う必要があります。こちらの記事では、ダイカスト品の試作で採用されている工法と実際の事例をご紹介いたします。
ダイカスト品の試作工法
砂型鋳造
砂型鋳造とは、砂を材料として製作した鋳型に溶かした金属を流して鋳物を成形する工法です。最終工程で鋳物を取り出す際、鋳型を壊すので鋳造を行う度に鋳型を製作する必要があります。
そのため一見メリットがなさそうに見えますが、実は鋳型1つの製作コストが非常に安く設備も少なくて済むため少量生産に向いています。また、溶かした金属を流して固めるので形状の自由度が高く、複雑な形状や大きな鋳物の成形が可能な点も特徴です。
一方、寸法精度が悪く、砂粒の凹凸も転写されるため、鋳肌面が粗いというデメリットもあります。
石膏鋳造
石膏鋳造とは、金型を使用しない鋳造方法のひとつで鋳型に石膏を使用する工法です。
ダイカストと同等レベルの品質精度の鋳造が可能で、緻細な凹凸も正確に再現できます。自由度の高い形状や優れた鋳肌の仕上がりはもちろん、金型不要のためコストやリードタイムの観点でも優れています。
そのため、小ロット限定の鋳造品、開発リードタイムの短期化とスムーズなダイカスト量産移行のための試作などに、圧倒的なコストパフォーマンスを実現できます。
ダイカストの試作製品事例をご紹介!
続いて、ダイカスト加工センター.comのダイカストの製品事例をご紹介いたします。
産業用ロボット向けヒートシンク
こちらは、産業用ロボットで使用されるヒートシンクです。
材料メーカー様が開発されたヒートシンク用のアルミ材(開発合金)を使用した製品で、アルミダイカストでありながらアルミ鋳物並みの放熱性を実現した事例でございます。
また鋳造及びマシニング加工後の処理としては、三価クロメート処理と粉体塗装を協力メーカー様に実施いただき、ダイカスト加工センター.comにて出荷検査をして納品いたしました。
ダイカスト品の試作ならダイカスト加工センター.comにお任せください!
今回は、ダイカスト品の試作工法についてご紹介いたしました。
当社では、砂型鋳造や石膏鋳造によるダイカスト品の試作から、量産まで一貫して対応しています。また、VA・VE提案や工法転換提案など、様々なご提案を行っています。
ダイカストに関して、お困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!