こちらの記事では、ダイカストを行う上でとても重要な抜き勾配について
ご紹介いたします。
金型から成形品を取り外す(離型)とは
成形後、ダイカスト品を金型から取り外す(離型)際、金型が破損してしまうといったことを防ぐために、抜き勾配を設定する必要があります。
離型は、
①キャビティー(雌型)から成形品を離型させる
②コアから成型品を離型させる
の2工程に分かれています。
第1工程では、コア(雄型)が稼働しキャビティー(雌型)から成形品を離型させます。この時、成型品が冷却される間に収縮され、金型が開くと同時にコア側(雄型)に成形品が張り付く状態になり、これを引き剥がす必要があります。
そのため第2工程では、コアから成型品を離型させます。第1工程で、コアと成形品が張り付いているので、金型に搭載されているエジェクタピンやスリーブという装置で、成型品を押し出し、離型させます。
抜き勾配とは
抜き勾配とは、金型から成形品をスムーズに取り外すために金型につける勾配のことです。抜き勾配をつけることで、金型が開いた瞬間にコア側に張り付いた成形品とキャビティ―との間に隙間ができ、成形品をスムーズに取り外すことができます。
また抜き勾配は、大きい方が望ましいです。というのも、金型と成形品が擦れないため取り外しやすいです。逆に小さい場合、成形品と金型が擦れて取り外しにくくなります。
どの位の角度が必要なのか?
成形品の形状などによって異なりますが、一般的には1°から2°前後の抜き勾配となることが多いです。設計的に抜き勾配がとりにくい場合でも、原則、最低0.5°の抜き勾配が必要となります。
抜き勾配が小さすぎると金型に負荷が掛かり、成形品の取り外しやすさも悪くなります。その結果、傷やひび、寸法不良などの原因にもなります。不良を防ぐために、適切な角度を設定することが重要です。
ダイカストの製品事例をご紹介!
続いて、ダイカスト加工センター.comの事例をご紹介いたします。
充電器用ダイカストケース
こちらは二輪やドローン、セニアカーなどの輸送機器に用いられる充電器用のケースです。
800t成形機を保有しているダイカストメーカーを、当社が提携している100社以上の協力会社の中から選定し、対応いたしました。
アルミダイカスト カブアーム
こちらはアルミを材質にダイカスト加工を施して製作した会議室テーブルの脚部品となります。製品サイズも大きく、コスト対応力も求められていたことから海外(韓国)にて製作を行った製品です。
ダイカスト加工センター.comを運営するアトライズヨドガワは海外調達を得意としていることから、国内だけでなく海外のダイカストメーカーからもダイカスト加工品を調達することで、このようにコストメリットをお客様に提供することも可能です。
ハイブリッド車向け充電コネクタ用レバー
こちらは、ハイブリット車で採用されている「充電コネクタ用のレバー」です。
アルミダイカスト部品を40トンの竪型射出成形機で樹脂にインサート成形することで製作しております。その後、ショットブラストと半光沢のニッケルクロムメッキを施しております。
ダイカストのことならダイカスト加工センター.comにお任せください!
今回は、ダイカストの抜き勾配の重要性について紹介いたしました。
最後に、ダイカスト加工センター.comでは、ダイカストへの工法転換を通してVA・VEの実現をご提案しております。
ダイカストに関して、VA・VE提案・工法転換提案から試作・量産までワンストップで対応が可能なダイカスト加工センター.comまでお問い合わせください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!