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ダイカスト加工の基礎知識・技術コラム

ダイカストの圧漏れ(エアリーク・オイルリーク)の原因と対策

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ダイカストを行ったときに、肉厚の部分があると、圧漏れという不良が発生することがあります。こちらの記事では、その圧漏れの原因と対策をご紹介いたします。

ダイカストの圧漏れ(エアリーク・オイルリーク)の原因

ダイカストの圧漏れは、鋳物の内部に発生したひけ巣などの内部欠陥と、湯じわ・湯境、凝固割れなどの外部欠陥、また加工面の状態など様々な要因が重なり、内部と外部との相互貫通によって起こります。

ダイカストの圧漏れ(エアリーク・オイルリーク)の対策

下記のような鋳造欠陥が起こる原因について対策することで圧漏れを防ぐことができます。

ひけ巣

ひけ巣とは、製品内部に大きな空洞が生じてしまう状態です。

鋳型に注ぎ込まれた溶融金属が固まる際に生じる体積の減少が原因です。金属には液体から固体に変化する際、体積が減る性質があります。減少した体積を注ぎ込む溶融金属で補給することができず、ひけ巣が発生します。

対策として、湯道に湯だまりを設けることです。凝固収縮で減少した体積分の溶融金属を湯だまりから補給するなどの対策が必要になります。また肉厚の部分がある場合は、凝固に時間が掛かり、ひけ巣ができやすいため、できる限り肉厚を均一にすることが重要です。

湯じわ・湯境

湯じわ・湯境とは、ダイカスト品の表面に発生する不規則な浅いしわや境目のことです。

湯じわ・湯境は、金型の温度や溶湯温度が低いと、流動中に温度が下がり、金型表面に酸化膜が形成され発生します。また、鋳型内で溶湯が合流する際に、合流箇所が完全に溶解されず凝固することでも発生します。製品の薄肉部分やガス抜けの悪い箇所などによく発生します。

対策として、金型や溶湯の適切な温度管理や、射出スリープ内で溶湯の温度低下防止、流動中の温度低下防止、給湯開始から射出開始までの時間(ショットタイム)や射出時間などの短縮が必要になります。

割れ

割れとは、凝固中や冷却中にダイカスト品が割れてしまう現象のことです。

割れは溶融金属が凝固収縮する際に、鋳型や、すでに凝固した部分に妨げられ、引張り応力が働き、強度が低い部位が応力に耐えられなくなることで発生します。また、鋳物を取り出す際の抜き勾配不足も割れが発生する原因となります。

対策として、金型の設計を見直し、凝固収縮時の応力を分散させるためリブや角隅部にRをつける、また抜き勾配不足による割れを防ぐため、適切な抜き勾配を設けるといったことが必要になります。

ダイカストの製品事例

ハイブリッド車用DCコネクタ

こちらは、ハイブリット車用のDCコネクタです。

ボルト取付座面は、機械加工により切削工程を入れているため、切削により座面に鋳巣が発生してしまいます。対策として、鋳型の中にしっかりとアルミの溶湯が充填され形状形成されるよう何度も湯回り改善を行いました。

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今回は、ダイカストにおける圧漏れの原因と対策についてご紹介いたしました。

当社では、圧漏れを始めとした様々なダイカストにおける不良に対しての知見を基にあらゆる対策を行っています。

また、VA・VE提案や工法転換提案など、様々な提案を行っており、試作・設計段階からのご相談を数多くいただいております。

ダイカストに関して、お困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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