入れ子とは、母型(おもがた)と呼ばれる金型本体に対して、別部品としてはめ込む型のことです。こちらの記事では、その入れ子の特徴とメリットについてご紹介いたします。
金型の入れ子とは
金型の入れ子とは、メインの金型にはめ込んで使用する金属部品のことです。入れ子を用いる場合、メインの金型となる部品を「母型」と呼ぶのに対し、はめ込む部品を「入れ子」と呼びます。成形品の外観を表すキャビティやコアなど、精巧さを必要とする部品を入れ子にするのが一般的です。
金型のみを使う方法と比較すると、入れ子を使う方法は初期コストが高くなり、セッティングにも時間がかかってしまいます。ただ、金型を変更する場合に金型全体ではなく、入れ子だけ交換したりメンテナンスできたりするなど、生産工程全体で考えると時間とコストを削減することができます。
金型を入れ子構造にするメリット
金型を入れ子構造にするメリットを3つご紹介します。
メリット①:加工性が高まる
1つ目は、「加工性が高まる」です。1つの金型のみを用いる方法では、生産できる製品の形は限られます。入れ子を用いると、細かい凹凸を作ることができ、複雑な形状をした製品でも問題なく生産できます。
メリット②:金型自体の耐久性が高まる
2つ目は、「金型自体の耐久性が高まる」です。入れ子を用いる加工ではガス抜きができます。金型を直接加工して筒状の形状を作ると、奥にガスがたまってしまい、それが原因で形状が崩れてしまう可能性があります。一方で、入れ子を用いれば金型に直接加工を施す必要はなく、形状が崩れるリスクを抑えることができます。
メリット③:冷却性が高まる
3つ目は、「冷却性が高まる」です。高精度で製品を安定して生産しつづけるには、成形後に均等に冷却する必要があります。ただ、金型の形を複雑に変形させてしまうと、冷却した際に均等に冷えづらくなってしまい、結果として製品に不具合が発生してしまいます。入れ子を用いた加工では、冷却性を均一に保ちやすいため、安定して高品質な製品を生産することができます。
入れ子構造にする際の注意点
金型を入れ子構造にする際の注意点は、入れ子を用いて加工すると、どうしても分割した線が製品に付いてしまうことです。機械や自動車などの内部に用いる部品であれば、機能面が重視されるため問題はありませんが、見た目が重視される部品や滑らかな表面が要求される部品の製造には、入れ子の利用は適していません。
ダイカストの製品事例
家電製品部品
こちらは家電製品の中の機構部品です。ボスのインサート加工も合わせて行っております。
インサート加工についてはボスだけでなく、雌ねじや雄ねじ、リベットなどにも対応可能です。
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