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ダイカスト加工の基礎知識・技術コラム

アルミダイカストの熱処理

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アルミダイカスト品は、成形後に熱処理を行うことがあります。こちらの記事では、その熱処理の方法と実際の事例についてご紹介いたします。

熱処理とは

熱処理とは、鋼などの炭素を含む金属の加熱・冷却で生じる金属組織の変化を活用し、素材の性質や耐衝撃性を向上させる処理方法です。代表的な熱処理方法として、以下の方法があります。

1:焼入れ

焼入れは、鋼を硬くすることを目的に行われます。加熱により鋼の温度を変態温度以上まで上昇させ、一定時間を置いたあと、急激に冷却します。

金属組織がオーステナイト化するまで加熱し、水や油などの焼入冷却液に入れて急速に冷却すると、マルテンサイトと呼ばれる金属組織に変態し、炭素部分の分布が均一のまま硬化させることができます。

2:焼戻し

焼入れによって鋼の金属組織はマルテンサイト化して硬くなりますが、そのままではもろく、割れなどが生じやすい状態です。

焼戻しは、そこからさらに再加熱して硬さを調整しながら粘りや強靭性を高め、機械部品に適した硬さに調節、耐衝撃性を付加する処理です。基本的に焼入れと焼戻しはセットで行い、この2つの処理をまとめて調質と言います。

3:焼なまし

焼なましは、主に切削加工をしやすくするために鋼を軟らかくすることを目的に行われます。焼鈍(しょうどん)とも呼ばれる処理です。

金属組織がオーステナイト化するまで加熱し、熱を加える炉の中でそのままゆっくり冷やします。焼なましには鋼を軟らかくする他に、金属組織を均一にする役割もあります。処理が不完全だと鋼の金属組織や硬さが不均一となり、機械加工に適さなかったり、加工ムラが生じる一因となったりします。

4:焼ならし

焼ならしは、鋼を製造する際に生じる金属組織のムラを均一化し、耐衝撃性などの機械的性質を向上させることを目的に行われます。焼準(しょうじゅん)とも呼ばれる処理です。

金属組織がオーステナイト化するまで加熱し、炉から取り出して静かな大気中で空冷します。炉冷よりも冷却スピードをやや速めることで、金属組織の結晶粒を微細化することができます。

アルミダイカストへの熱処理が難しい理由

アルミダイカストへの熱処理は難しいです。その理由は、ダイカストならではの鋳造方式にあります。

ダイカストは、溶融金属を高圧かつ高速で金型に注入し冷却することで製品を生産する鋳造方式です。その工程では空気を多く巻き込んでおり、製品の内部に巣が発生する場合があります。巣がある状態で、熱処理を施すと巣が膨張してしまい、製品の品質を損ねてしまう可能性があるのです。

アルミダイカストに熱処理を施す方法

特殊なダイカスト工法を用いれば、ダイカストでも熱処理を施すことが可能です。熱処理が可能な工法は下記の2種類です。

1:真空ダイカスト法

真空ダイカスト法とは、金型内部を真空状態にしてから溶融金属を注入する特殊ダイカスト法です。

金型内部を真空状態にする真空ダイカスト法ならば、成形品に巣が生じるリスクを大幅に下げられるため熱処理が可能になります。

2:無孔性ダイカスト法

無孔性ダイカスト法とは、金型内部に活性ガスである酸素を送り込み空気を酸素に置き換える特殊ダイカスト法です。

アルミニウムは活性金属なので酸化反応を起こして、巣が生じるリスクを大幅に下げられるため熱処理が可能になります。

>>真空ダイカストについて、詳しくはこちら

ダイカストの製品事例

家電製品部品

こちらは、家電製品の中の機構部品として使用される亜鉛ダイカスト品です。

亜鉛ダイカストは、複雑な形状でも高い寸法精度を実現できます。また、亜鉛自体がアルミに比べて比重が大きく、剛性が高いので、強度を高く保ったまま薄肉化を行うことが可能です。

そのため、本事例のような機構部品のみならず外観部品としても幅広く用いられております。

>>製品事例の詳細はこちら

アルミダイカストへの熱処理なら、ダイカスト加工センターにお任せください!

今回は、アルミダイカストへの熱処理についてご紹介いたしました。

当社では、アルミダイカストの金型設計・製作から切削加工、その後の表面処理まで一貫対応しています。国内外の自動車部品や住宅設備メーカー様向けに、アルミダイカスト品を納入してきた実績を基に、最適な材料選定や、ダイカストへの工法転換など様々な提案を行っております。また、アルミのみならず、亜鉛とマグネシウムのダイカストにも対応可能です。

ダイカストに関して、お困りごとがございましたら、お気軽にご連絡ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

>>ダイカストの製品事例一覧はこちら

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