バリとは、素材を成形加工した際に出る製品形状・機能に関係のない意図しない突起物や残留物のことです。製品機能上、不要な物であるのに加え、製品機能や安全面に支障をきたす場合があるため、図面上でバリ無き事といった指示も多いです。
こちらの記事では、バリ取りについてご紹介いたします。
バリがダイカストの品質に与える影響
ダイカスト部品にバリが発生した場合、以下の様な影響が考えられます。
1.隣接部品の干渉
バリの形状は突起状のため、組み付けの際に突起状のバリが隣接部品に干渉し、組み付けトラブルに繋がってしまいます。
2.性能の低下
バリはダイカスト部品の性能を著しく低下させます。特に、お互いにこすれ合う摺動部のパーツは、バリによる影響を大きく受けやすいです。摺動部にバリが干渉していると、製品の性能を100%発揮することは難しくなります。
3.バリの落下
バリは決して強度の高いものではないため、ちょっとした振動で簡単に落下してしまいます。落下したバリが、他の部品を傷つけてしまう可能性もあります。
4.作業員の怪我
バリの形状は突起状のため、その先端は鋭利に尖っていることがあります。そのため、少し触れただけでもケガをする恐れがあります。
ダイカスト品のバリ取り方法
ダイカスト部品のバリ取りでは、主に以下の3つの方法が利用されています。
1.プレスによるバリ取り
プレス機とプレス金型を使えば簡単にバリ取りができますが、ダイカスト部品に合わせてプレス金型を作成する必要があるため、プレス金型費用も必要となります。そのため、大量生産品があることが前提で、バリの程度を考慮する必要があります。
2.手加工によるバリ取り
エアーヤスリという空圧工具を使うことで、きめ細やかなバリ取りができます。ただ、手加工のため、完成の度合いにバラつきがない様に職人技も必要です。ダイカストでも小ロット品でよく使われる方法です。
3.機械加工によるバリ取り
ダイカスト後に、より精度を出すため機械加工を行うことがあります。その際に、機械加工の工程の中でバリ取りも一緒に行う方法です。
ダイカストのバリ取り事例
培養冷蔵庫のハンドル
こちらは、微生物などを培養するための超低温冷蔵庫のハンドルです。研究所や医療現場で使用されています。
外観部品のため、傷や黒点・バリなど部品加工でよくみられる不良品をお届けしないよう、入念な管理体制を敷いています。
ダイカストのことなら、ダイカスト加工センターにお任せください!
今回は、ダイカストのバリ取りについてご紹介いたしました。
当社では、アルミダイカストの金型設計・製作から切削加工、その後の表面処理まで一貫対応しています。国内外の自動車部品や住宅設備メーカー様向けに、アルミダイカスト品を納入してきた実績を基に、最適な材料選定や、ダイカストへの工法転換など様々な提案を行っております。また、アルミのみならず、亜鉛とマグネシウムのダイカストにも対応可能です。
ダイカストに関して、お困りごとがございましたら、お気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!