アルミダイカスト品は、成形後にアルマイト処理を行うことがあります。こちらの記事では、そのアルマイト処理の目的と実際の事例についてご紹介いたします。
アルマイト処理とは
アルマイト処理(陽極酸化処理)とは、アルミニウムの表面に人工的に酸化皮膜を生成させる表面処理です。
アルミニウムは、酸素と結びつきやすいため、空気中の酸素と結びつき、自然に薄い酸化皮膜を形成し、錆びにくいなどの特徴をもっていますが、自然に形成される酸化皮膜は非常に薄いため、傷つきやすく環境によっては腐食してしまいます。
そこでアルマイト処理を行い、人工的に酸化皮膜を生成させることで、耐摩耗性や耐腐食性を向上させることができます。アルマイト処理によって形成された酸化皮膜には絶縁性があり、放熱性も高いという特徴があります。
また様々なカラーリングを行うことができるため、アルミニウムでは表現できないような特色を加えることが可能です。
ただし耐熱性が低く脆いため、100℃以上の環境下やアルマイト処理後の加工により、割れや剥がれが発生する可能性があります。
アルマイト処理時の注意点
アルマイト処理を行うことで、耐食性や強度の向上、反射防止といった効果がありますが、アルミニウム合金の材質、ダイカスト品の厚みや形状によっては、均一な皮膜を生成することが難しくなります。
また、ダイカストに用いられるAl-Si合金に含まれているケイ素(シリコン)は、皮膜生成を阻害するため、膜厚不良が発生しやすくなるため、注意が必要です。
アルマイト処理事例
レール
こちらは、アルミ製のレールで、設備の中で紙幣を搬送するために用いるものです。材質には、15μmのアルマイトを施しています。
*本事例は、押出成形品のアルミへのアルマイト処理事例ですが、当社では、アルミダイカストへのアルマイト処理実績も多数ございます。
アルミダイカストへのアルマイト処理なら、ダイカスト加工センターにお任せください!
今回は、アルミダイカストへのアルマイト処理についてご紹介いたしました。
当社では、アルミダイカストの金型設計・製作から切削加工、その後の表面処理まで一貫対応しています。国内外の自動車部品や住宅設備メーカー様向けに、アルミダイカスト品を納入してきた実績を基に、最適な材料選定や、ダイカストへの工法転換など様々な提案を行っております。また、アルミのみならず、亜鉛とマグネシウムのダイカストにも対応可能です。
ダイカストに関して、お困りごとがございましたら、お気軽にご連絡ください。
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