溶融金属を金型の中に高速で圧力をかけて充填し、製品を作るダイカスト。溶融金属を砂で製作した型に流し込み、製品を作る砂型鋳造。こちらの記事では、そのダイカストと砂型鋳造の違いについてご紹介いたします。
ダイカストとは
ダイカストとは、溶かした金属を金型の中に充填したのちに圧力をかけ、冷やし固
めることで、短時間で製品を生産する鋳造方式の一種です。寸法精度や面粗度が優
れており、金型で連続的に製造することができるため、大量生産に適した鋳造方式
です。
砂型鋳造とは
砂型鋳造とは、砂で作った型(=砂型)に溶かした金属を流して製品を成形する鋳造方式です。鋳造ごとに砂型を作る必要がありますが、形状の自由度が高く、複雑な形状や大きな鋳物の成形も可能です。砂型一つあたりの製作コストが低いため、小ロット品に適しています。
ダイカストと砂型鋳造の違い
ダイカストと砂型鋳造は、共に溶かした金属を型に入れて鋳物を成形する鋳造方式
ですが、砂型鋳造は砂型の製作費が安く、小ロット生産向けの工法です。
一方、ダイカストは金型の製作は高額ですが、繰り返し使用可能なため大量生産に向いています。また、砂型鋳造品と比較して薄肉化しやすく、寸法精度に優れ、表面が滑らかな製品を製作できます。
ダイカストの製品事例
ハイブリッド車用エクステンションコネクタ
こちらはハイブリット車で活用される「ハーネス用のエクステンションコネクタ」です。2005年から量産開始、何度か設計変更しながら現在も適宜設計・開発を進めています。
3本の筒がある形状をしていますが、設計上この側面にしかゲート(湯口)が設定できません。そのため、筒を形成するスライドと金型が溶損しやすく、溶接されないよう十分に注意してダイカストを行っています。
ハイブリッド車用DCコネクタ
こちらは「ハイブリット車用のDCコネクタ」です。
2016年よりEV車のコネクタ用に量産していた部品のスズ(Sn)メッキを廃止した製品です。現在でも、メッキ処理がある製品とない製品、それぞれ量産しています。
EV車のDCコネクタで使用されるため、防水仕様である必要があるため、全数エアリーク検査を実施しています。
電動パーキングブレーキ用ハウジング
こちらは、2t車(小型トラック)に搭載されている電動パーキングブレーキユニット(指先で作動・解除できるパーキングブレーキ)向けのハウジング品です。
大学様との産学連携の事例で、鋳巣不良を0にすることを実現しています。
ダイカストのことなら、ダイカスト加工センター .comにお任せください!
今回は、ダイカストと砂型鋳造の違いについてご紹介いたしました。
当社では、アルミダイカストの金型設計・製作から機械加工、表面処理まで一貫対応しています。国内外の自動車部品や住宅設備メーカー様向けに、アルミダイカスト品を納入してきた実績を基に、最適な材料選定や、ダイカストへの工法転換など様々な提案を行っております。また、アルミのみならず、亜鉛とマグネシウムのダイカストにも対応可能です。
ダイカストに関して、お困りごとがございましたら、お気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!