ダイカストにおけるハードスポットとは、溶炉で合金を融解させる際に混入した異物・酸化物が、成形時にそのまま含まれた、一部硬い場所を示します。ハードスポットは、鋳造金属よりも硬度があり、後工程の加工で工具の破損に繋がります。こちらの記事でハードスポットの影響と対策についてご紹介いたします。
ダイカストのハードスポットの発生原因
ダイカストの欠陥は主に
①外部欠陥
②寸法上の欠陥
③内部欠陥
の3種類に大別でき、ハードスポットは、「内部欠陥」に分類されます。
ハードスポットは、
・溶解炉で合金を溶かす際に混入した異物
・溶湯を長時間溶解炉で保有することによる溶湯の酸化反応によって生成された酸化物
・混入した金属片と溶湯が反応し生成された金属間化合物
こうしたものがキャビティ―内に流れ込み製品内部に混入することにより発生します。
ダイカストのハードスポットによる影響と対策
ハードスポットは非常に硬いため、後加工の工程で、切削工具の折れや、摩耗による工具の寿命低下に繋がります。また、加工面に傷がつくなど、精度不良や製品機能の低下を引き起こす可能性もあります。
ハードスポットの混入を防ぐためには、適切な溶湯管理や、溶解炉にフィルターを設置し、溶解炉から製品に異物を混入させないなどの対策が必要になります。
ダイカストの製品事例事例
家電製品部品
こちらは、家電製品の中の機構部品として使用される、亜鉛ダイカスト加工品です。
亜鉛ダイカスト加工品は、複雑な形状でも高い寸法精度を実現できます。また亜鉛自体がアルミに比べて比重が大きく剛性の高いので、強度を高く保ったまま薄肉化を行うことが可能です。
そのため、今回の事例のような機構部品のみならず外観部品としても幅広く用いられております。
コイン投入口
こちらは、コイン投入口として使用される亜鉛ダイカスト品です。ダイカスト加工後、黒色塗装を行っております。
亜鉛ダイカスト加工品は、このような黒色塗装のみならず腐食防止などのために適用できる表面処理の種類が豊富にあります。そのため、こちらの事例のような外観部品であったり装飾品に採用されるケースがよく見られます。
ガスコック部品
こちらは、一般住宅などに使用されるガスコックの部品(亜鉛ダイカスト品)です。
ガスコック部品という用途であることから、気密性が最も重要視されます。そのため、ダイカスト加工時には鋳巣や湯回り不良が発生しないよう加工を行うとともに、出荷に際してはリーク検査も合わせて実施をしております。
ダイカストのことなら、ダイカスト加工センター .comにお任せください!
今回は、ダイカストのハードスポットについてご紹介いたしました。
当社では、適切な溶湯管理や、溶解炉にフィルターを設置し、溶解炉から製品に異物を混入させないなどの対策を行い、ハードスポットの発生を防止しています。
ダイカストに関して、お困りごとがございましたら、お気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!