こちらの記事では、アルミダイカストで最も一般的なADC12の特徴と実際の製品事例をご紹介いたします。
ADC12の機械的性質
ADC12は、アルミダイカスト合金の中でコスト面の優位性があり、最も流通している代表的な材料です。熱伝導率が良いため、各種ケースやカバーなど軽さと放熱用途の点で多く採用されています。
機械的性質である、引張強度、圧縮強度、せん断強度などは、他のアルミダイカスト合金と比べても劣りません。
ADC12の特徴
アルミダイカストの90%以上にADC12が採用されています。自動車部品、農耕機械、冷蔵庫、照明など、幅広い分野の製品に使用されています。特に、自動車部品ではエンジン部品から駆動周り、トランスミッションなど多くの部品に採用されています。
ADC12は高いレベルで非常にバランスの取れた合金であり、
・鋳造性が良く、成形時の困難さが少ない
・切削性が良く、2次加工が容易
・入手しやすい
といった優れた点が多々ございます。
しかし、耐食性はアルミダイカスト材料の中でも劣り、使用用途によって、アルマイト処理、メッキ処理などの防錆処理をする必要があります。
ADC12の製品事例
ハイブリッド車用エクステンションコネクタ
こちらは、ハイブリット車で活用される「ハーネス用のエクステンションコネクタ」です。2005年から量産開始、何度か設計変更しながら現在も適宜設計・開発を進めています。
納入の際は、樹脂ハウジングを2種類、バスバー、ゴムリング、ボルトをアルミダイカストに組み合わせ(ASSY)た状態でお渡ししております。なお、バスバー・ゴムリング・ボルトは外部協力先からいただいた部品を使用しています。また、アルミダイカストに関してはニッケル(Ni)の下地とスズ(Sn)メッキを施しています。
ハイブリッド車用メスアウターケース
こちらは、直流の電流を交流の電流へ変更するインバータのアウターケースです。
形状が複雑で鋳造が難しいため湯回りも悪く、以前は不良率が非常に高い製品でした。また、お客様よりできるだけコストを抑えたいというご要望や、形状変更なども度重なり、各種対応、不具合改善が続いていましたが、専用機の導入し、安定的な供給を実現することができました。
カブアーム
こちらは、アルミを材質にダイカスト加工を施して製作した会議室テーブルの脚部品です。
製品サイズも大きく、コスト対応力も求められていたことから海外(韓国)にて製作を行った製品です。
ダイカスト加工センター.comを運営するアトライズヨドガワは海外調達を得意としていることから、国内だけでなく海外のダイカストメーカーからもダイカスト加工品を調達することで、このようにコストメリットをお客様に提供することも可能です。
ADC12のダイカストのことならダイカスト加工センター.comにお任せください!
今回はADC12の特徴と製品事例についてご紹介いたしました。
ダイカスト加工センター .comでは、ADC12以外のアルミダイカスト、また、亜鉛やマグネシウムのダイカストにも対応しています。
ダイカストに関して、お困りごとがございましたら、お気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!