ダイカストは、高生産性で生産コストが低く、複雑形状も可能なため多業界で良く採用される技術ですが、焼き付きという不良が起こることがあります。こちらの記事では、ダイカスト金型の焼き付きの原因と対策を紹介いたします。
ダイカスト金型の焼き付きとは
ダイカスト金型の焼き付きとは、金型表面に合金が付着した状態を言います。
これは、鋳造の際にダイカスト合金が金型の表面に付着した状態で、金型を使い続けることで発生します。そのため、製造品の寸法精度の劣化や外観が損なわれるなど、ダイカスト鋳造において問題になっています。
ダイカスト金型の焼き付きの原因
ダイカスト金型の焼き付きの原因は、
「金型面に金属間化合物が付着」「ダイカスト合金の強度より金型間の摩擦力が大きくなった場合」の2つのパターンに大別されます。
① 金型面に金属間化合物が付着
鋳造時にダイカスト合金と金型の界面温度が高温となることで、
金型面に金属間化合物が付着し、その結果金型に焼き付きが生じる場合
② ダイカスト合金の強度より金型間の摩擦力が大きくなった場合
ダイカスト合金と金型との反応ではなく、ダイカスト合金と金型間の摩擦力がダイカスト合金の強度よりも大きくなった場合に、ダイカスト合金が破壊し、金型面に残ることで焼き付きが生じる場合
2つのパターンの焼き付きは、発生する原因が異なるため、原因に応じた対策が必要となります。
ダイカスト金型の焼き付きの対策
ダイカストの焼き付けは、先ほど紹介した原因によって対策は、変わってきます。
こちらでは、原因別で対策法を紹介いたします。
① 金型面に金属間化合物が付着
ダイカスト合金や金型の材質・成分、離型剤の種類や付着状況によって反応が起きる温度は変化いたします。そのため、製造品に応じた金型を設計し、反応が起きる温度を科学的・物理的に算出し適切な鋳造条件を設ける対策が必要となります。
鋳造条件の中でも、ダイカスト合金の金型への付着は、反応する臨界温度によって決まります。
この温度は鋳造状況により変化するため、鋳造時の金型温度を適切な温度に設定・調整する必要があります。
② ダイカスト合金の強度より金型間の摩擦力が大きくなった場合
離型剤の種類や塗布方法の変更による対策が必要となります。
離型剤を適切に付着するためには、金型温度を離型剤が付着する適切な温度に設定・調整する必要があります。鋳造時の金型温度をきめ細かく制御することが焼き付きを防ぐ上で重要な対策となります。
ダイカストの製品事例をご紹介!
続いて、ダイカスト加工センター.comのダイカストの製品事例をご紹介いたします。
培養冷蔵庫のハンドル
こちらは「医療用冷蔵庫のハンドル」の部品になります。その中でも、微生物などを培養するための超低温冷蔵庫のハンドルとして研究所や医療現場で使用されています。
素材はアルミを使用しており、ダイカスト鋳造を行うことで高精度のハンドルを製造しています。なお、仕上げまでの工程としてはダイカスト成形、外観バフかけ、外観磨き、シルバー塗装まで行っています。外観部品のため、傷や黒点・バリなど部品加工でよくみられる不良品をお届けしないよう、入念な管理体制を敷いています。
ダイカスト加工 コーヒーメーカー部品
こちらはダイカスト加工にて製作いたしましたコーヒーメーカーのミルケースです。
4部品が嵌合されて使用されるため、ダイカスト加工センター.comを運営するアトライズヨドガワの協力会社であるダイカストメーカーの中から1社選定してまとめて発注を行うことで、寸法調整などスムーズな立上げが実現出来た製品です。なお、コスト面の観点もあり、日系メーカーのベトナム工場で全て生産しています。
カーテンレール部材 アルミダイカスト加工品
こちらのアルミダイカスト加工品は、大手インテリア製品メーカー様向けに製作・納入しましたカーテンレール部品で、カーテンレールの側面部に使用されます。
インテリア部品であるため高い外観品質が要求されます。そのためダイカスト加工を行った後、二次加工として塗装を行うことで外観品質を高めております。またバリエーションとして6種類のカラー展開を行っている製品でもあります。
ダイカストのことならダイカスト加工センター.comにお任せください!
今回はダイカスト金型の焼き付き対策についてご紹介いたしました。
焼き付きの原因にあった対策を打って解決する必要性があります。