今回は、今後需要が増加してくるEV(電気自動車)に、なぜアルミダイカストが採用されるのかついて触れていきます!!
目次:
② EV(電気自動車)でアルミダイカストで採用される理由とは?
④ ダイカストのことならダイカスト加工センター.comにお任せください!
EV(電気自動車)における課題
「脱炭素社会」の実現に向けて、自動車業界においては、EVの普及という大きなテーマがあります。
自動車が排出する二酸化炭素(Co2)は多く、日本国内全体のCo2排出量の約2割を占めていると言われています。2020年に日本政府が「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする」と宣言したことに伴い、自動車業界の「脱炭素化=脱ガソリン車からEV」への変革は、実現しなければならない課題となってきております。
しかし、EV普及にあたっての課題の1つに「航続距離」の問題があります。
ガソリン車とEVを比較すると、バッテリーを積んでいるEVの方が車体重量が重いのが現状です。車体重量が重たいとその分、動かすのにパワーが必要となり、燃費(EVの場合は、電費と言います)を食ってしまい、航続距離に悪影響を与えてしまっているのです。
EV(電気自動車)でアルミダイカストで採用される理由とは?
そこで、アルミダイカストの出番となります。
アルミは、鉄や銅に比べて重量と引張強度は1/3です。
単純計算ですと、同じ強度を担保するには、同じ重量が必要になりますが、実際にはそうはなりません。
鉄は材料が硬いため、複雑な形状を作るのに複数の部材を溶接等で合体して、求める形状を製作する必要が多々あります。しかし、結合部は本来の素材強度よりも確実に劣化していくので、その分肉厚を増やすなど、重量のかさむ対応を強いられます。
また、複数の部材を結合する分、コストアップに繋がります。
砂型鋳造などもありますが、 表面粗度があまり良く無いため、機械加工をする必要があり、製造リードタイムやコスト面を考慮すると厳しくなります。
一方、アルミダイカストは、鉄と比べて柔らかいので複雑な形状の部材を作り易いです。アルミで複雑な形状ができれば、鉄で使用する複数の部材を結合するための無駄な形状を無くす事ができます。そのため、引張り強度が1/3でも、鉄と同じ重量まで増やす必要がないというわけです。
また鉄のように、複数部品で作っていた部品に対してアルミダイカストであれば一体化させることができる場合が多々あります。そのため、ボルトやナットなどの部品を廃止することで軽量化を図ることが出来ます。
アルミダイカストでの自動車部品の製品事例をご紹介!
続いて、ダイカスト加工センター.comの事例をご紹介したいと思います。
この他にも様々な事例がございますので、ぜひ製品事例をご確認ください。
電動バーキングブレーキ用ハウジング
こちらは2t車(小型トラック)に搭載されている電動パーキングブレーキユニット(指先で作動・解除できるパーキングブレーキ)向けのハウジング品です。
鋳造から加工までを一気通貫で生産いたしました。大学との産学連携の事例で、鋳巣不良を0にすることを実現しております。
ハイブリッド車用エクステンションコネクタ
こちらは、ハイブリット車で活用される「ハーネス用のエクステンションコネクタ」です。
樹脂ハウジングを2種類、バスバー、ゴムリング、ボルトとのASSY品で、外部の企業様と共に生産いたしました。
本事例では筒を形成するスライドと金型が溶損しやすく、溶接されないよう十分に注意した鋳造を行っています。
車載向けモーター用コネクタ
こちらは、自動車に搭載するモーターのコネクタ部品です。従来では金型スライドを用いてU溝の形状部を形作っていましたが、切削加工に加工方法を変更いたしました。これにより、構造がシンプルになり、金型のトラブルを減少することに成功いたしました。
ダイカストのことならダイカスト加工センター.comにお任せください!
今回は、EV(電気自動車)に使用されるアルミダイカストの概要とその事例についてご紹介させていただきました。
鉄よりも軽く加工しやすいアルミダイカストは、EVには、必要不可欠と言えるでしょう。
他の製造方法からの工法転換によってコストダウンや軽量化を実現することも可能なため、ぜひ、自社の部品製造の際にダイカストも検討してみてはいかがでしょうか。
最後に、ダイカスト加工センター.comでは、ダイカストへの工法転換を通してVA・VEの実現をご提案しております。
ダイカストに関して、VA・VE提案・工法転換提案から試作・量産までワンストップで対応が可能なダイカスト加工センター.comまでお問い合わせください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!