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ダイカスト加工の基礎知識・技術コラム

ダイカストでの鋳巣の発生原因とその対策方法とは?

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鋳物の代表的な欠陥である鋳巣ですが、ダイカストでも鋳巣が発生してしまうことがあります。
本記事では、ダイカストでの鋳巣の原因とその対策方法について詳しく解説します!

目次

鋳巣とは?

巣の種類とそれぞれの発生原因・対策

ダイカストでの鋳巣の対策方法まとめ

ダイカストの鋳巣にお困りでしたらダイカスト加工センター.comにお任せください!

鋳巣とは?

鋳巣(いす・ちゅうす)とは、ダイカスト品の内部にできた空洞のことで、鋳物の代表的な欠陥です。対策を講じないと、組付け完成時にエアーリークやオイルリークに繋がり、製品としては不良品になってしまうものです。

巣の発生原因としては、主に、

・溶湯の温度が過度に高いもしくは低いこと
・ガスの発生

などがあります。

巣の種類としては大きく分けて、

・ヒケ巣
・巻き込み巣
・ブローホール

の三種類があり、それぞれの巣の原因を見極めた対策を講じないといけません。
それぞれの巣の対策方法について詳しく解説します。

巣の種類とそれぞれの発生原因・対策

1.ヒケ巣

原因    
ヒケ巣は、金属の溶湯から個体に凝固した際の体積変化によって生じる欠陥です。主に厚肉部や複雑形状部に発生します。樹脂の場合、やわらかいので収縮で引っ張られても表面が凹んだ状態(ヒケ)で収まりますが、金属は固いので真空の空洞ができてしまいます。これがヒケ巣です。
              
対策
1 過度な厚肉設計をしない(製品の均肉化)
2 成型時の冷却方法の見直し
3 凝固収縮する体積分の金属の補給

2.巻き込み巣

原因
ダイカストは高速・高圧で溶湯を金型内に送り込む為、金型内で泡立ちが起こってしまいます。金属はすぐに凝固していきますので金型内に泡の逃げる場所が無くなり空洞となりそのまま固まってしまって巣となってしまいます。

対策
①溶湯の充填速度の見直し
②ケート位置やランナー形状の見直し(金型内でスムーズに溶湯が流れるようにする)

3.ブローホール

原因
溶湯が金型内に高速で流れ込んだ際にガスが発生します。凝固がはじまり取り残されたガスは空洞となり閉じ込められ巣となってしまいます。
              
対策
①ガスベントを広げたり追加したりするなどガス抜きを良くする
②ケート位置やランナー形状の見直し(金型内にガスが溜まりにくくする)

ダイカストでの鋳巣の対策方法まとめ

ダイカストでは金属の液体を凝固させ個体にしますので、さまざまな変化が生じ巣の問題が発生します。上記以外の対策として下記の様な方法もあります。

  1. ヒケ巣 ⇒ スクイズダイカスト

スクイズダイカストは、キャビティ内に溶湯を充填完了後、凝固過程中にキャビティ内の一部を直接加圧する方法です。直接加圧することにより凝固収縮の体積減少分相当量の溶湯を部分的に補給できるため、ひけ巣の少ない高品質なダイカストを得ることができます。

  2. 巻き込み巣 ⇒ 真空ダイカスト

真空ダイカストは、キャビティ内に巻き込まれた高圧ガス気泡を真空引きし、ガス気泡を減圧させることにより巻き込み巣の発生を削減させます。

 巻き込み巣 ⇒ 無孔性ダイカスト

 無孔性ダイカストはキャビティ内を酸素で置換えスリーブに給湯し、高圧でプランジャーを前進させキャビティ内に射出しキャビティに充填させ冷却凝固させます。すると、アルミ合金と酸素が反応し、固体の酸化物を形成して瞬間的に減圧します。酸素はアルミ合金と化学反応を起こして微小な酸化アルミの固体となるため、気孔の少ない緻密なダイカストが得られます。

ダイカストの鋳巣にお困りでしたらダイカスト加工センター.comにお任せください!

いかがでしたでしょうか。

今回はダイカストの鋳巣の発生原因とその対策方法についてご紹介させていただきました。

まとめますと、ダイカストの鋳巣の対策方法としては、

・溶湯の充填速度や冷却方法など成形方法を見直す

・ケート位置やランナー形状・ガスベントなど金型設計を見直す

・スクイズダイカスト・真空ダイカスト・無孔性ダイカストなどの特殊なダイカストを行う

等が挙げられます。

ただし、今回の記事でご紹介したように、鋳巣の発生にはいくつかの原因がありますので、原因を特定し、原因に沿った最適な対策を実施することが重要です。原因特定をされる際には、ダイカストのプロにご相談されることをおススメします。

ダイカストのバリについて解説した記事もございますので、あわせてご覧ください。

>>ダイカストでのバリの発生原因とその対策方法とは?

最後に、ダイカスト加工センター.comでは、ダイカスト加工への工法転換を通してVA・VEの実現をご提案しております。

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